偽りのキス
Love7

〔屋上で待ってる〕


仰向けで空を見てる蒼汰の横で
私はお弁当を食べる



春の心地いい風が吹いて
屋上から校庭の桜が見えた





「コロッケ?」


「ブー…ハズレ!」



蒼汰が私のお弁当に入ってるものを
匂いで当てるクイズ


当たったら食べれる




「あ、ハンバーグ!」


「あたり!」



蒼汰の口にハンバーグを入れてあげた





「それから…玉子焼き!」



「あたり!
それ、サービス問題ね
ママ、毎日入れるから」


蒼汰が口を開けた




「ハイ」




「…うん、いつもおいしい」




「ママに言っとく」







「あと…」



「あと?」



「乙…
乙の匂いする…」




「え…?」



「乙…好きだよ…」



「…うん」





「あたり?」




「あたり…」






私は蒼汰の口にキスをする







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