俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「えぇ。おじい様には本当にお世話になっていて、綾花さんの話もよく聞いていたんです。とても優しいいい子だって」

 祖父がそんな話をしていたなんて、なんだか照れくさい。

「それに綾花さんは覚えていないと思いますが、夏休みや冬休みになると東京からとても綺麗な女の子が来るって、書道教室の子供たちの間で有名だったんですよ」
「そうなんですか?」

 私は驚いて目を丸くする。
 綺麗なというのはお世辞だろうけど、のどかな田舎町で暮らす小学生にとって、毎年東京から遊びに来る私は物珍しかったのかもしれない。

 すると貴士さんが私の肩を抱き、「なるほど」と中村さんに微笑みかけた。

「おじい様との縁もあって、綾花に親切にしてくださるんですね。ありがとうございます」
「いえ、私がしたくてしていることなので、都築さんはお気になさらないでください」

 対する中村さんも笑顔でそう言う。
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