俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「じゃあ、綾花が俺を好きになる可能性はゼロなのか?」

 色気のにじむ声で囁くように問われ、ぐっと言葉に詰まった。

 可能性もなにも、私はずっと前から貴士さんに憧れ想いを寄せてきた。
 大好きに決まってる。

 ……だけど。

 眉をひそめた私を見て、貴士さんは小さく息を吐いた。
 そして私の後頭部を大きな手で包むと、自分のほうへ引き寄せる。

「余計なことはいいから、俺のことだけ考えてろ」

 そう言って、顔をかたむける。
 綺麗な顔が近づき、キスをしようとしているんだと気づく。

 無意識に貴士さんの胸を押すと、彼は私の顔を覗き込んだ。

「イヤか?」

 そのねだるような甘い視線に、体の中心がぞくっとうずく。

「あ、あの。私、はじめてなので……」

 どうしていいのかわからなくてそう言うと、貴士さんの表情が曇った。

 もしかして、怒らせてしまった?

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