俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 鼓膜を震わせた問いかけに、体の奥がぞくりと震え熱くなった。

 確かに私は昨日、このたくましい肩に顔をうずめて『抱いてください』とお願いした。
 本当に彼が大好きだから、心も体も全部、彼のものになりたかった。

 だけど、それは自分に都合のいい夢の中だと思ったからだ。

 現実の彼が愛しているのは、私じゃなくて姉の渚沙だ。
 どんなに頑張ったって、姉にはなれない。彼に抱かれたって、苦しくなるだけだ。

「お、覚えてません……」

 瞳をうるませながら嘘をつくと、私の手首をつかむ指にぎゅっと力が込められた。

 わずかな痛みに顔をゆがませる。
 けれど、貴士さんは私よりももっと苦しそうな表情でこちらを見ていた。

「そうやって、綾花はすぐに俺とのことを忘れるんだな」
「貴士さん……?」

 意味が分からず名前を呼ぶと、乱暴に唇をふさがれた。

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