俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 すると、その動揺を感じ取った貴士さんが、私の耳元でくすりと笑った。

「気を失うほど、俺のキスは気持ちよかったか?」

 甘い声でささやかれ、私は悲鳴を上げそうになる。

「ち、違います! 昨日は寝不足だったから寝てしまっただけです!」
「へぇ。寝不足だったんだ?」
「そうです。ほら、貴士さんがいなかったから寂しくて、なかなか寝る気になれなくて……」

 慌てて言いつくろうと、貴士さんの笑みが深くなった。
 にやりと上がった口角を見て、今のは失言だったと気づいた。

 昨夜のやりとりは寝ぼけて覚えていないと誤魔化したのに、自分から貴士さんがいなくて寂しかったと暴露してどうする。

 なんとかして言い訳しようと頭を悩ませていると、貴士さんの腕が私をぎゅっと抱きしめた。

「あー、もうほんと……」

 貴士さんは疲れた口調でそう言った。

 もしかして、あきれられた? 
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