俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 不安になって振り返る。
 目が合うと、貴士さんはため息をついた。

「本当に、綾花は行動も発言も表情も。いちいちかわいすぎる」

 真顔で言われ、一気に頭に血が上った。

「そ、そうやって、からかわないでください」
「からかってない。綾花はこんなにかわいいのに、無自覚だから困る」

 そう言われると、こっちがリアクションに困る。

 言葉が出なくて口をパクパクさせていると、貴士さんははぁーっと息を吐いてから「さっきは悪かった」とつぶやいた。

「綾花がほかの男に口説かれているのを見て、頭に血が上った」
「そんな……」

 貴士さんの謝罪に、戸惑いながら首を横に振る。

「もしあのとき俺が迎えに行かなかったら、あの男の言葉に綾花の心が揺らいでいたかもしれないと思うと、焦りと嫉妬が抑えられなくなった」

 苦し気に吐き出された言葉は、とても切なげだった。

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