俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「え……?」

 貴士さんの手が私の胸元に伸びた。
 片手で器用にブラウスのボタンをはずす。
 はだけた胸元から中に着ているキャミソールがのぞいていた。

「ほらな」

 にやりと笑われ、頭に血が上る。

「なにするんですか!」

 慌てて胸元をかき合わせながら叫ぶと、貴士さんは楽しそうに声を上げて笑った。



 もう本当に、心臓が持たないから、勘弁して……!







 その夜、家に電話がかかってきた。
 レトロな呼び出し音を響かせる黒電話の受話器を持ち上げる。

「もしもし。葛西です」
『あ、綾花?』

 電話の向こうから響いたのは、はつらつとした声。

「お姉ちゃん……?」

 慌てて周りを見回す。

 貴士さんはちょうどお風呂に入っているはずだ。
 電話がかかってきたのが、彼がいないタイミングでよかったと胸をなでおろす。

『久しぶりね。元気にしてた?』
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