俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「私は、夢の中で姉の婚約者の貴士さんにせまって、姉の幸せを横取りしようとしたわがままな自分がゆるせなくて、祖父の約束を守ってひとりで生きようと思って……」
「だからあのあとすぐ、家を出たのか」
「それに、貴士さんが姉に告白しているのを聞いてしまったから、幸せなふたりのそばにいるのがつらくて、逃げたんです」
「あれは、渚沙に『ずっと綾花が好きだったから、お前とは結婚できない』と説明していたんだ」

 その会話を断片的に聞いて、勘違いしてしまったんだ……。

「俺たちは、すれ違ってばかりだな」
「すみません。早とちりして逃げ出した私が悪かったんですね」

 羞恥心と申し訳なさとで頭を抱えると、貴士さんは短く笑った。

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