俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 到着までの時間がものすごく長く感じた。

 貴士さんはこんなに遠くから、私に会いに来てくれたんだと実感する。

 駅からタクシーに乗り、貴士さんの会社の前に到着する。
 動揺したままビルの中に入ると、「綾花さん?」と声をかけられた。

「綾花さんですよね? どうされたんですか?」

 聞き覚えのある声に振り返る。
 そこにいたのはスーツ姿の真面目そうな男の人。貴士さんの秘書の米沢さんだ。

「突然すみません。貴士さんと連絡がとれなくて、それで……」

 とぎれとぎれに話す私に、米沢さんは根気強く耳を傾けてくれた。

「なるほど、事故を心配してわざわざこられたんですね」とうなずく。

 米沢さんは私をつれてエレベーターに乗る。
 連れていかれたドアには『社長室』と書いてあった。

「社長、失礼します」そう言って米沢さんはドアを開ける。そこには、スーツ姿の貴士さんがいた。

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