俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 しょんぼりと肩を落とすと、貴士さんは私を抱き上げた。

「食事よりも、綾花がいい」

 甘い言葉に頬が熱くなる。私は両手で顔を隠し悶絶する。

「どうした?」
「な、なんだか、ものすごく新婚さんみたいなセリフだなと思って」

 そう言うと、貴士さんは「たしかに」とつぶやく。
 ふたりで顔を見合わせて小さく笑った。

「このままベッドルームに連れて行ってもいいか?」

 貴士さんの問いかけに、私はたくましい肩に顔をうずめてうなずいた。

 広いベッドに寝かされ、私はドキドキとうるさい心臓をおさえる。

 着ていたジャケットを脱ぎながらこちらを見る貴士さん。
 白いシャツとしなやかな体にフィットするベストが色っぽくて、鼓動が速くなる。

 貴士さんはベッドの上の私の顔の横に片手をついて、もう片方の手でネクタイをゆるめた。

 しゅっと衣擦れの音をたてて抜き取ると、そのネクタイを床に落とす。
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