俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
婚前同居の始まり


婚前同居のはじまり
 
 





 チュンチュンという鳥のさえずりと柔らかな朝の光に目を覚ました。

「ん……」

 私は畳の上に敷いた布団の中で少しまどろんだあと、体を起こし伸びをする。

 すると人の気配に気づいたのか、庭にいた小鳥たちが一斉に飛び立った。鳥の羽ばたく音と同時に、窓にはめ込まれた障子紙にその小さな影が映る。

 私は起き上がり布団を押し入れにしまうと、居間に移動し庭に続く格子戸を開けた。ひんやりとした空気が流れ込んできて、思わず首を縮める。

 少し前まではまだ薄暗い中で目を覚ましていたのに、縁側の向こうに広がる庭はもう朝の光で満ちていた。

「すっかり春だなぁ」

 つぶやきながら夜露で濡れた鮮やかな赤紫色のツツジを眺めていると、庭に縞模様の猫がいるのに気が付いた。

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