俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「そんなことを言われてましても……」

 困惑して眉を下げると、貴士さんはくすくす笑いながら長い指で私の髪を梳く。

「綾花はそんなこと、気にしなくていい」

 私に向かって甘くささやいてから、画面に視線を向ける。

「米沢。そうやって俺の妻を困らせるなよ」
「貴士さん。私はまだ妻になると決まったわけじゃありません」

 私を一番困らせているのは、あなた自身です。と心の中で文句を言うと、貴士さんは頬にしわを寄せて笑った。

 きっと、恋愛経験ゼロの私をからかって面白がっているんだろう。

「そういえば、貴士さんの会社って、どんなお仕事をしているんですか?」

 気を紛らわせるようにたずねると、画面の向こうの米沢さんが目を丸くした。

『今更そんな質問をするなんて。綾花さんは自分の夫の仕事や収入に無頓着なんですね』

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