俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

「はじめまして、葛西綾花と申します」
『私は都築の秘書をしております、米沢と申します』

　改めてあいさつをすると、画面の向こうの彼も名乗ってくれる。

「すみません、貴士さん。もしかしてお話し中に邪魔をしてしまいましたか？」
「いや、問題なくネットがつながるか確かめていただけだから、大丈夫だ」

　そう言い合う私たちを画面越しに見ていた米沢さんは、納得したようにうなずいた。

『社長が突然一ヶ月も休みを取るなんてなにごとかと思いましたが、あなたと過ごすためだったんですね』
「あぁ。彼女に結婚を了解してもらうために、これから一ヶ月同居してとことん口説く予定だ」
「なに言ってるんですか」

　恥ずかしげもなくさらりと宣言する貴士さんに、私は顔をしかめる。
　私を愛していないくせに、そういうセリフを言わないでほしい。

『綾花さん。わが社のためにもさっさと首を縦に振ってくださいね』