俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

「あの……。貴士さんは、そうやって何人もの女性を口説いてきたんですか？」

　おそるおそるたずねると、米沢さんがちょっと面白がるように眉を上げた。

『まぁ、社長はあの外見ですから百戦錬磨のもて男に見えますよね。彼から口説かなくても、周りの女性がほうっておかないのも事実ですし』
「ですよね……」

　米沢さんの言葉にうつむくと、『でも』と彼は続ける。

『少なくとも私の知る限り、社長は都築グループを退社して会社を立ち上げてから、すべての時間を仕事に費やしてこられました』
「そうなんですか？」
『心に決めた女性がいて、その人を手に入れるために会社を軌道に乗せ両親を納得させる必要があったそうです』

　その米沢さんの言葉に、胸が痛くなった。

　心に決めた女性というのは、姉の渚沙のことだろう。
　ふたりは婚約していたけれど、貴士さんは都築グループ辞めてしまった。