俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～
『水を差してすみません。こちらはそろそろ仕事に戻りますので、あとはおふたりで存分にいちゃいちゃしてください』

　冷静な口調でそう言われ、羞恥心が頂点に達する。
　頭から湯気が噴き出しそうだ。

「わかった。明日また連絡する」

　動揺する私とは対照的に、貴士さんは相変わらず余裕の表情だった。

　なにごともなかったように通話を終わらせノートパソコンを閉じる。
　そしてこちらを振り返ると、甘く微笑んだ。

「じゃあ、邪魔者もいなくなったし、さっきの続きでいちゃいちゃするか」

　とんでもない提案をされ、私は畳の上で跳び上がる。

「し、しません……っ!!」

　叫ぶように言うと、貴士さんの部屋から逃げ出した。

「残念。まだまだ警戒されてるな」

　貴士さんはそんな私をながめ、くすくすと笑う。

　勘違いするな。
　貴士さんは恋愛経験皆無の私をおもしろがってからかっているだけだ。
< 66 / 297 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop