俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「綾花がほかの男に泣かされているのかと思って、嫉妬した」

 耳もとで、独占欲全開でささやかれた。声からも視線からも男の色気が駄々洩れで、ぶわっと頬が熱くなった。

 こんなの心臓が止まってしまう。勘弁して……!

 私は心の中で悲鳴を上げる。

『どうでもいいですが、見せられてるこっちは甘ったるくて砂を吐きそうなんですけど』

 冷静な声が響き振り返る。
 画面の中の米沢さんが、無の表情でこちらを見ていた。

 貴士さんに抱き寄せられているのに気付いた私は、慌ててたくましい胸を押しやり腕の中から逃げ出す。

「す、すみません。お見苦しいところを……っ」

 真っ赤になった顔を両手で隠しながら謝ると、貴士さんは「せっかく綾花を抱きしめていたのに、米沢が余計なことを言うから逃げられたじゃないか」と不満を漏らした。

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