俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 赤くなった頬が、さらに紅潮していく。

 綾花はぐっと言葉につまったあと、理性をふりしぼるようにして「したくないです」と言い切った。
 そして俺に背を向けキッチンへと歩いて行く。

「残念。俺はまた綾花とキスをしたかったのに」

 二年前のキスを思い出しそうつぶやくと、綾花は不思議そうに足を止めた。

「また…?」

 そうつぶやいた彼女に意地悪に微笑み、視線を庭に向ける。



 二年前に綾花と交わしたキス。
 はじめてのキスに翻弄されながら必死に受け入れる綾花の初心な反応は、ものすごくかわいかったのに。
 あれからずっと俺は彼女を思い続けてきたのに。

 なかなか俺を受け入れてくれない綾花を、これからどうやって口説こうか。




 明るい春の庭をながめながら、俺はそんなことを考えていた。






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