俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 興奮する彼女たちに「落ち着いてください……!」と声をかけるも、まったく耳に届いていないようだ。

「すみません貴士さん。お仕事の邪魔でしたか?」
「いや、にぎやかで楽しそうだったから、のぞきにきただけ」

 こっそり耳打ちした私に、柔らかく笑い首を横に振る貴士さん。
 そして女の子たちに視線を向ける。

「都築貴士です。綾花先生の婚約者で、しばらくここで暮らすのでよろしく」
「た、貴士さん……っ」

 まだ私は結婚すると承諾したわけじゃないのに、そんなにはっきりと婚約者だって言わなくても……。

 苦情をこめて彼を睨むと、貴士さんはふっと目元をゆるめて私の耳に唇をよせた。

「付き合ってもいない男を家に住まわせてると噂が立てば、書道教室の先生としての信頼に傷がつきかねないだろ。俺は婚約者だってはっきりさせておいたほうがいいと思うけど?」

 ……確かに。
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