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入学して1週間が経った。今日から本格的に授業が始まる。高校と違い、大学の授業は基本自分で好きに時間割を作れるのだが、私の大学では、1年生のうちはほとんど大学側で決められており、同じ学部の人とは同じ授業を受けるため、話したことはないが、顔は見たことある人たちばかりだった。
「はる〜!こっち!!席取ってあるよー!!!!」私が教室に着くと、唯一仲良くなった友達のかなが手を振ってきた。
「おはよ!ありがとね」お礼を言い、私は席に着く。ふと周りを見渡すと、斜め後ろの方に、準くんが座っていた。全然タイプじゃないのに、むしろ苦手なタイプなのに、私はじっと見つめてしまう。すると、目が合った。いそいで前を向き、ノートを取る。
(目合っちゃった、でも一瞬だったし、私のことも知らないし大丈夫だよね。)
しばらくすると、授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
私はこの後の授業はもうない。友達のかなはまだ授業があるため、教室を出たところでばいばいだ。
「また明日ね!!」
そう言って私は家に帰ろうとする。すると後ろから、
「はるちゃん!!」と男の人に名前を呼ばれた。人見知りの私は、まだ男の子の友達はいない。
(だれ??)
後ろを振り向くと、準くんが立っていた。
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