Last note〜バタフライ編
ʚïɞ「戦闘」

ー「水龍の滝の儀式」ー

ーーーーーー
伊豆の空は、とても広かった……。

ポンポン…ポン…

ポンポン…ポン!


森の奥の方から、太鼓の音がこだましてくる…。それは、海の方へ消えて行く…。


繁さん「……今年も、始まったか。」

露天風呂から、空を見上げる繁さん。

繁さん「……ん!?あれはなんぞや!?」


月が照らす夜空には、
妖しげに、龍の形をした影が、

悠々と、舞っていた……。

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ーーーーーー

そしてその頃、
竹で即席刀をこしらえた烏丸が、

旅館から持ってきた
烏天狗の面を付けると闇夜に飛び立った。

タタタタタ……っ!!

進むほど、太鼓の音は大きくなり、
直接心臓に響いてくるようだ…。

森は、奥へ進むほど、

空気は冷たくなり、

"水龍の滝"の方は、清らかな寒さだ。

滝の真ん中には、人2人分は乗れる岩があり、その上で着物を着たクロハが居た。

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クロハ「……いにしえの…雄飛…明かしに染まりて……」

声がかすかに震えるが、慣れた口調で伝統の歌を歌い、

大きな扇を使い、舞っている。

田辺「はぁーっ!!」

気合いを入れた田辺さんが、
滝の川のほとりの前に膝まづくとお祈りした。
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