Last note〜バタフライ編
中富「よく、今回の事件を解決してくれた。礼を言う。」

青山「覚えているなら何故、黙っていたんですか?!」

烏丸「せやで…あんまりっすわ。」

中富「当時、まだ若かったワシは、責任の重さに耐えきれず、事故処理として片付けたんだ。」

青山と烏丸は、話を聞く事にした。

中富「だが、自分の中でどうしても、心残りがあった。事故車には、赤い車の塗装が付着した引っ掻き傷があってな。」

青山「まさか、衝突事故?」

中富「あぁ。捜査を進めていく内に、ある容疑者が浮かんだ。それが、和泉都子だったんだ。」

烏丸「なんやて!?」

中富「当時まだ、CSSの設立は全国各地にはなく、私は彼女を追い詰めたものの、催眠の餌食となった。」

"事故処理にしなさい…"

中富「催眠が解けたのは、今回の事件で、あげはと再会した時だ。
あのタイミングで思い出した事により、彼女がなんらかの形で繋がってる事を察知した。」

青山「そんな…長期催眠があるなんて。」

中富「大きくなった彼女を見て、また大切な人を失った悲しみは計り知れない。
そう思ったワシは、君たちに任せることで弱い自分から逃げたのだよ…。」

青山「警視長の座を得て何を言うんですか…。」

中富「それにワシは普通の人間だ。
また、和泉都子の長期催眠にかかる事だけは避けたかったんだ…。」
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