Last note〜バタフライ編
冷たい組立式の椅子に座って待っていると、部屋に白衣を着た女性が入ってきた。

医師「CSSの青山警部ね?
あげはさんの精神鑑定は、私、
和泉 都子(イズミ ミヤコ)が承ります。」

青山「宜しくお願いします。」

CSSで引き取る前に精神鑑定した先生とは、別の人で、あげはは青山の手を握った。

あげは(前と違う先生だ…)

和泉 都子先生。
この精神病院で1番有能な女医であり、
催眠術のエキスパートだ。
つまり彼女は、"催眠"の特性保持者。

和泉「…"魔性"持ちは珍しくないけど、貴方はどうやら2性持ちらしいわね。
お会い出来て光栄だわ。」

青山「こちらこそ。」

握手を交わすと、和泉先生も腰掛け、
向かい側に座るあげはに優しく話しかけた。

和泉「緊張してるみたいね。
大丈夫、痛い事は何も無いわよ。」

あげは「はい…///」

青山「あげはちゃん、これから和泉先生が、催眠術をかけるけど、怖いものじゃないから…。」

あげは「頑張る…//」

和泉先生は、呼吸を整えたあげはの前に身を乗り出し、
頬に手を添えた。

和泉「大丈夫…私の目を見て?
……そう、リラックスして。
その調子よ……。」

和泉先生を見つめるあげはの目が、
次第にトロンとしてきた。

そして……和泉先生の目が、
純白に染まった瞬間、それは始まった。
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