Last note〜バタフライ編
青山「……こんにちは。」

あげは『……さっき、居た。
あんた、結局あの"jump"のエロ親父捕まえたか?』

青山「あぁ。君が戦ってくれたおかげでね。礼を言う。」

あげは『ふん…。まぁ、あんたはあげはの理解者だ。あの黒い蝶が視えるなんて、変わってるね。』

青山「そうかも。君は名前はあるのか?
あげはちゃんは、別人格がある事に、気づいているのか?」

あげはの中にいる者は、目を伏せて言った。

あげは『…気づいてない。それが、少し寂しい。あまり質問攻めしないで。
さっきの戦闘で、疲れてるんだ。』

ため息を零し、黙ってしまった。
和泉先生は、会話の内容をパソコンで打っていく。

青山「そっか、ごめんね。
でも、今のままじゃ、あげはちゃんの為にならないんだ。だからせめて、君の名前と、事件の事を知ってるか教えてくれないか?」

少しぼーっと、遠くの方を眺め
ぽそりと言った。

あげは『あの日の事は、知らない。
だけど…あげはと同じ、"Last note"を持つあんたなら、きっと真実に辿りつけるはずだ。』

青山「!……そうか。名前は?」

あげは『………クロハ。
知りたいなら、伊豆に行きな?
………待ってる。』

そう言うと、"クロハ"と名乗った彼は、
すっと眠りについた。

ガクンっと、椅子からあげはが転びそうになり、青山が抱きとめた。
< 44 / 165 >

この作品をシェア

pagetop