蓮華草
"本当にごめんな"
その言葉に涙が溢れて実感した。
ああ、もう春とは一緒には居られないんだ。
じゃあせめて。と
私の頭を撫で続ける手のひらに、
頬を擦り寄せた。
少しでもこの体温を覚えておきたくて。
少しでも彼に近づきたくて。
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