ByeBye





これで終わりになんてしたくなかった。
まだ離れたくなかった。

謝らないでほしかった。
彼が苦しそうにす顔を歪めるたびに、罪悪感でいっぱいだった。


私を見てほしかった。

中学生の時のあの優しい瞳も、可愛らしい笑顔も、私を呼ぶ声も、全部。

私だけのものであってほしかった。




「樹…っ、うぅ…っ、」



どれだけ名前を叫んでも、どれだけ涙を流しても、もう“親友”だった私たちには戻れない。私に残ったのは罪悪感だけなのだ。




ごめんね、なんて言わないで。

"親友"のあなたを利用したのは、貴方ではなく私だ。今日の出来事も、貴方への想いも、忘れることなんかできない。




だから、お願い。




────私との間にあったことを、なかったことになんてしないで。


< 31 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop