無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
正門に向かって走っていると、広がって歩く男子たちの集団に出くわした。
「あれ、たまちゃん?」
追い越そうとしたときに名前を呼ばれてふと目を向ける。
げっ、最悪。
「今帰り?」
にこやかに距離を詰めてくる高瀬。わたしのよりも大きな影が隣に並んだ。
「上条さんじゃん」
「リオ、仲良いの?」
「まぁ、最近ね」
同じクラスの目立つ男子たちに囲まれた。
名前は知ってるけど、絡んだことのない人ばかり。
みんな背が高くておしゃれさん。
もちろん高瀬はその中でもずば抜けてる。
「いい機会だから、上条さんにお願いしてみようぜ」
「お、いいな!」
なにやら盛り上がり始める男子たちに思わずポカンとする。