(短編)初恋オムライス
「日向さ、くるみちゃんのこと心配してたよ。私に来るメッセージのほとんどが、くるみちゃんのことばかり」


え?どうして?どうして彼が私のことを気にかけてくれるの?


「あ、それは、彼がバイトリーダーだから」


「どうなんだろうね」


うろたえる私の反応を見てミナさんは、意味ありげに笑っている。


だって彼は優しいから。また私が失敗してないかって心配してくれてるだけ。ただそれだけだと思う。


だけど、最後に会った日の彼の顔を思い浮かべていた。


なにか私に話したいことがあるって言ってた。


知りたいよ、出来ることなら今すぐ彼に会ってあの時のことを聞きたかった。


あの時私に何を言おうとしていたの?あの日からっずっと気になっていて仕方がない。


だけど、彼がバイトに来なくなった今となっては確かめようがない。


今度はいつ彼に会うことが出来るんだろう。


今はただ待っていることしかできないことが、もどかしかった。
< 41 / 57 >

この作品をシェア

pagetop