(短編)初恋オムライス
そう言って、ミナさんはニコニコしながらスマホを私に向けてくる。


「ほら、くるみちゃん、オムライスを食べてみて」


「ちょっと何してるんですか?恥ずかしいです。撮らないでください」


「いいじゃん、日向きっとすごく喜ぶよ」


「どうして、あっくんが私の動画を見て喜ぶんですか?」


「それは、だから」


「あっくんは私なんかよりもミナさんの動画が、欲しいと思いますけど」


「……」


何か言いたげに私を見ていたミナさんだっだけど、結局動画を撮影するのは諦めて
くれた。


あっくんは、クリスマスも勉強なんだろうな。受験っていつ終わるんだろう。あれ、どこの大学を受けるんだっけ。


私、彼のことを何も知らないんだな。

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