(短編)初恋オムライス
どうしょう、どうやって諦めてもらおう。
だけど、まさか5歳の女の子に現実をつきつけるような夢の無い言い方はしたくないな。


みうちゃんのキラキラした瞳を見ていたら、私のほうがふいに悲しくなってしまう。


こんな時あっくんならどうするだろう。


彼ならきっといつも正しい答えをだしてみんなを笑顔にできるんだろうな。


そんな頼もしい彼の代わりになんて誰もなれっこないよ。


「みう、お姉さんを困らせたらダメよ」


お母さんにたしなめられたみうちゃんの顔が急に泣きそうになった。


「違うもん、あっくん来てくれるもん」


「ご、ごめん、みうちゃん」


もうどうしたらいいのかわからなくて、そんな自分が情けなくて泣きそうになるのを必死にこらえていた。
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