後輩くんはワンコ時々オオカミ



・・・・・・苦しい


息ってどうすればいいの?


唇が重なるたびに
止める呼吸にも

・・・限界がくる


頭を引いて逃げようとすれば

頭の後ろに回された涼太の掌がそれを阻止する

酸素を求めるように
少し唇を開けば


その僅かな隙間から滑り込むように
熱い舌が滑り込んできた


「・・・んっ」


突然のことに目を開いてみれば
間近に見えたのは閉じられた涼太の目蓋で

何故だか分からないけれど
気持ちも落ち着いてきて
それに合わせるように
ゆっくりと目を閉じた


初めてのキスがどんどん深く変化し
涼太の熱に翻弄されていく


息苦しさはジワリと身体の自由を奪い
壊れそうなほど打ち付ける心臓は五感を狂わせる

涼太の熱が移ったみたいに
感じたことのない痺れが走る身体は

初めての感覚に飲まれそうで

気がつけば
涼太のシャツの胸を強く掴んでいた


何度も・・・何度も浸食する口付けに
身体からは力が抜け落ち


力を無くした身体は
肩で息をするように揺れる


されるがままに
離れては重なる唇が

最後は

「チュッ」


リップ音を立てて離れた


途端に冷める唇に
少し寂しさが生まれる


そのまま絡んだ視線の先で
涼太は妖艶に笑った

その熱っぽい視線から逃れるように俯けば


「ほら、こっち向いて」


顎をクイッと引き上げられ
強引に視線が絡んだ


「り、涼太?え・・・待って、」


焦る私とは対照的に
落ち着いてみえる涼太は


「ほら、隙だらけ」


そう言うと
また唇を重ねてきた


「んんっ」


膝の上に横抱きにされたまま
頭と背中に回された腕に隙間なく捕われて


頭の中が真っ白になるまで
翻弄され続けた







・・・涼太・・・好き










私の可愛い年下彼氏は






ワンコだったのに・・・





時々・・・






オオカミに変身するようです







fin















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