ロンド ~壮馬

「お祖母様も とても 素敵な方だったの。いつも 家族のことを 考えていて。私、お母様には 本当に 良くして頂いたの。」


母の言葉に 夏美は、
 

「私も。ママには 本当に 良くして頂いているから。同じです。」


夏美は まっすくに母を見て言う。


母は そっと 目頭を押さえて
 


「昔ね お母様が 愛する人との 命をつないでほしいって 言っていたの。今 その意味が とてもよくわかるわ。」


夏美は 黙って 母の言葉を 聞いていた。
 


「私が パパと出会って 愛しあって。絵里ちゃんや 壮君が生まれて。そして 絵里ちゃんから 結ちゃん達が。壮君から 陽君達が生まれて。家族が 繋がっていくの。みんなの中には お祖父様やお祖母様が 受け継がれて。すごく 素敵なことでしょう。」


母の頬を 涙が 静かに伝う。
 


「私ね 廣澤の 家族を繋げる お手伝いができたこと とても 幸せだと 思っているの。だから 私にできることは どんな事でもしたいわ。」


母は、優しく 夏美に 頷いてくれた。
 


「ママ。」


夏美は 母の胸に 抱き付いて 泣いてしまった。
 

「どうしたの。笑美ちゃんに 笑われるわ。」


と母は 優しく 夏美の背中を 撫でてくれる。
 

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