エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
これも、私と『結婚するから』なのだろうか。

身体を重ね合わせるのが夫の義務だから? それ以上の感情はないの?

この仕草の裏に愛がないのだろうかと探してしまう。

つまり、私は彼の愛が欲しいのだろうか? 結婚するのだから、当然といえば当然?

「この先、一緒に暮らすようになったら、彩葉の好きなものをちゃんと教えろ。ひまわりだけじゃなくて、もう少し融通が利くようにしておくから」

「はい……」

彼の胸に身を任せて、じっと目をつぶる。

この温もりが強引な婚約を呑んだ見返りだというのなら、そんなに悪くはないなと思ってしまうのだった。
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