届きそうで届かない
人との出会いは全て運命でできている。
家族も友達も好きな人も恋人も。
これは、私が実際に体験した、今も続いているある男性との恋愛物語。


   大橋 柊悠 (おおはし しゅう)
×
石川 来実 (いしかわ くるみ)

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春になり、私は念願のJK(女子高校生)になった。といっても、私の学校は中高一貫校なので新しい出会いがあるわけでもない。 

世間で言う高校デビューなんてものは私には無縁だ。彼氏がいる子、先輩に恋している子、アイドルにリア恋している子、周りにはいろんな人がいる。

私は中学の時1人の男子と付き合ったことがあるだけ。他の男子とは本当に友達として仲良くしているだけで、恋愛感情なんて持っていなかった。というより、私の性格上、私は男子の中での友達止まりの女になることがほとんどだった。
というのも、私の性格は明るく、話したら止まらない人で、またスポーツもバリバリしていて、か弱いとか可愛らしい女の子なんて程遠いものだった。

「高1の秋になったら文理選択をしてもらうから、それまでどうするかじっくり考えるように。」

「くるみは文系と理系どっちにするの?私は看護師になりたいから理系かなぁ」
高校から入ったバレー部の友達の橘晴加(たちばなはるか)に声をかけられた。

「うーん、文系に進んでなれるものと理系に進んでなれるものを考えた時に、理系の方が多いから理系にしよっかな。あと、リケジョってなんかかっこよくない?笑」

そんな安直な回答に呆れながらも、
「くるみらしくていいんじゃない」と同じ理系であることを喜ばれた。

「物理と生物か、、、。興味あるのは生物だけど、どうしよう。」
ぶつぶつと独り言を言っていると、晴加が

「なんか、物理の方が受験の時の選択の幅が広がるらしいよ。まだ進路が明確に決まっていないなら、物理の方がいいんじゃない?」と教えてくれた。

晴加の助言やネットで調べた情報をもとに私は理系の物理を選択した。



高校生にもなると勉強はやっぱり難しい。
私の通っている高校は自称進学校ってやつで、授業は早いやつは早い。特に数学や英語。

学校の授業だけでは理解が追いつかないので、私が住む地域ではそこそこ名がある集団塾に通った。

私が入った塾のクラスは一年で1A2Bを終わらせるハードなものだった。予習復習もろくにできず、一年過ごしていると、授業についていけない"落ちこぼれ生徒"になった。

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