みずあめびより
「・・・はい。」

鈴太郎の方を見ると、真剣で優しい目をしていた。

「俺、彩木さんといるとすごく楽しい。」

「え・・・。」

「俺の家に来た時から、もっと一緒にいたいって思ってる。」

「・・・。」

思わず目を見開いてしまう。

「さっきの、輪投げ屋のおじさんに言ったこと、冗談で言ったんじゃない。冗談言うの苦手だし。」

「・・・。」

「迷路でのことも、子供達が来なかったらあのまま・・・。」

「・・・。」

彼の真っ直ぐな視線にどんどん熱がこもってきて、ドキドキが早くなる。

「今までも人を好きになったことはあるけど、こんなに気持ちが溢れてどうしたらいいかわからなくなるのは、初めてなんだ。」

心底困ったような、それでいて幸せそうな顔をする。

「葉吉さん・・・。」

鼓動が早くて顔が熱くてどうしようもないのに、彼の視線から目を離せない。

「気持ちを伝えたら気まずくなるとか、新貝のこととかも考えたけど、そういうの全部通り越して、伝えずにはいられない。」

「!!!!!!」

鈴太郎は衣緒の手に自分の手を重ねた。優しい温もりが伝わってくる。

「好きだ。」
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