最後の夜
そんな時、玄関のチャイムが鳴った。

「お、やっと来たな」

立ち上がり玄関へ向かう創祐を目で追う。

ホストと言う仕事柄なのか、改めて見渡すと創祐の部屋はとても広い。

部屋数は三つ、お風呂もシャワーと浴槽が分かれているし、キッチンも広い。

「遅いんだよ、お前!」
「悪いな、道がやたら混んでてよ」

話し声が真後ろにきこえて振り返ったとき。

私の中で時間が止まった。

一重で切れ長の目、少し焼けた肌、強い眼光に茶色い少し痛んだ髪。

何かが私の横をすり抜けていった。
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