最後の夜
子供の頃は医者になるだのキャビンアテンダントになるだの、色んな普通の将来を描いていた。

「別に女好きでホストやってんじゃねえけどさ。」
「私だってそうだよ。何が好きで酔っ払いの介護するの?」
「でも俺、水商売好きなんだよな」
「私もだよ。」
「何でだろうな」
「さあ……」

まとまりのつかない話しは尽きる事はない。

私の生きる世界は夜、昼じゃない。

世間は水商売を偏見の目で見るかも知れないけど、それはそれで構わない。

テレビを眺めて煙草をくわえ、そんな話をしていた。
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