【女の事件】とし子の悲劇・4~遺恨の破砕波(おおつなみ)
第1話
札幌暮らしに疲れて、心身ともにボロボロに傷ついたアタシは、2024年8月30日に再びあてのない旅に出た。

旅に出てから4日目に、東京にたどり着いた。

しばらくの間、高田馬場のアパートで暮らしている友人(高松のデリヘル店で仲良しだったコ)の部屋に滞在していた。

その後、友人からの紹介で横浜伊勢佐木町のマダムズバーに入店した。

アタシは、恋人を作って結婚をしたいと気持ちは頭にはなかった。

9度も入籍先の家でゴタゴタばかりを起こしたあげくに結婚生活が破綻したので、10度目はかんべんしてほしいと思っている。

時は流れて…

2025年のゴールデンウィークが明けてから3日後の5月8日の夜のことであった。

この時、うちの店に鎌倉から会社経営者の46歳の男性が学生時代の友人4人を連れてやって来た。

男性の名前はきよひこさんで、うちのお店の上得意さんである。

アタシは、いつものようにお客さまにお出しする水割りを作っていた。

アタシがお客さまにお出する水割りを作っている時に、きよひこさんは友人たちにこう言うた。

「困ったな…どうすればいいのだよ…」
「また始まったよ…きよひこの困ったな…が。」
「お前さんのシングルの弟のことだろ…お前さんのシングルの弟は、いつになったら結婚のことを真剣に話し合うのかよ…いつまで一人身にさせておくのかよ…」
「いつまでって…気持ちが変わるまで…」
「気持ちが変わるまでと言うけどさ…お前さんのシングルの弟は38歳だね…いいかげんに嫁さんのことを考えてやれよ。」
「考えてやれよって口では簡単に言うけど、実際は難しいのだよ…」
「あのな、39歳までにコンカツを始めないと条件が悪くなる…もとい…少しだけど条件が悪くなるのだよ。」
「何だよ!!まるでオレをおどし口調で言うているじゃないか!!オドレは酔っているから物事の善悪の判断もできないのか!?」
「おいきよひこ、落ち着けよ…せっかく楽しくお酒をのんでいるのにゴタゴタを起こすなよ…おいニシノ!!オドレも酒の席できよひこを怒らせるな!!」
「何だと!?オレは悪気があって言うたわけじゃないのだよ!!何でオドレはそうやって目くじらを立てるのだよ!?」

この時、一緒の席にいたチーママさんが『まあまあ。』と言うて止めた。

「まあまあ、おちついて…せっかく大学時代のお友だちたちが集まったのだから、楽しくお酒をのんで過ごしましょう…こういう時は、大学時代の楽しい思い出の話に変えてみたらどうかなぁ…ねえとし子さん…」

チーママさんからの問いに対してアタシは『ええっ…』と気乗りしない声で答えた。

アタシは、10度目の再婚の話が来ると言うことはないだろうと思っていた。

…が、どういうわけなのかまたアタシにお見合いが来た。
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