陽点  心の中の太陽

「あっ。おはようございます。助かります。」


私の言葉に 富永さんは 笑顔で頷く。


「店長から 電話もらって。急いで来たよ。間に合ってよかった。」



私よりも 2才年下の 富永さんが 

私達のエリア担当に なったのは1年前。


飄々としていて あまり感情を 表に出さない 富永さん。


一見 頼りないように 見えたけれど。



『富永マネージャーが 今までで 一番 やりやすい』


と店長は 言っていた。



売り場のスタッフと 世間話しをしながら

小さな不満に 気付いてくれるとか。



売り場の意見を ちゃんと 上に通してくれるとか。



それに 富永さんは 無理なことは無理と はっきり 言える人だった。



その場は 調子良く 合わせていても

結局 できなくて 後で 落胆させるマネージャーが 多いから。



富永さんの 誠実な仕事ぶりを 

スタッフは みんな 評価していた。




< 23 / 79 >

この作品をシェア

pagetop