陽点 心の中の太陽
アパートを契約して。
最低限 必要な 家財道具を 揃えて。
私は 美由紀と直哉に 鍵を渡す。
「少しずつ 自分の荷物を 運んでおいて。直哉は 時間がなければ ママの車の トランクに入れておいて。」
「いよいよだね。」
「やっと 自由になれるのか。」
まるで 何かのイベントみたいに サバサバしている 子供達。
「2人とも これからが大変よ。親権とか養育費とか。絶対 揉めるから。」
私は 不安を隠せない。
でも 美由紀は 前向きに
「私 色々 調べたんだけど。子供が15才以上の場合 裁判になっても 子供の意思が 尊重されるらしいよ。私 バイトするから。養育費とかも 別に いらないし。」
と言う。
「俺も。進学する気ないから。高校卒業したら 働くし。大丈夫だよ。」
直哉の言葉にも 私は 救われた。
この子たちは こんなにも 父親から 離れたがっている。
私は なんて馬鹿だったのだろう。
子供のために 両親が 揃っていた方がいいと思って。
自分が 我慢するだけじゃなく
子供達にも 我慢させてしまった。
「そうなの?それじゃ ママ 2人に 養ってもらおう。」
離婚を決意してから 涙もろくなっている自分を
奮い立たせるように 私は 明るく言った。