竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 落ち着いたら連絡するとモーブさんに別れを告げ、私は商人さんたちの宿に急ぎました。もちろん市中見回りの騎士さんと鉢合わせしないように、ちゃんと周りをうかがいながら。
 そして無事宿屋に着き、商人さんの馬車に乗せてもらいました。
 村まではのんびり馬車の旅。
「荷台ですみませんね。揺れるけど、我慢してください」
「全然大丈夫ですよ。風が気持ちいいです」
「お昼には着きますから」
「は~い」
 村から運んできた魚介を売り、こちらで必要なものを買って帰るのが商人さんたちの行商スタイルだそうで、荷台には野菜や果物、雑貨なんかが載っています。
 その隙間に私と奥さんのマルーンさん。
 いつもは荷台に旦那さん──ボルドーさんと一緒に乗るんだけど、今日は私の話し相手にと、荷台に乗ってくれています。
「お昼には着くって、意外と近いんですね」
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