竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
「そんなものここにはないよ。せいぜい氷で冷やすくらいだ。だから新鮮なものを新鮮なうちに調理しないといけないんだよ」
「なるほど」
 そういうことでしたか。『忙しさ』の正体は、仕込みから調理までをずっとし続けているからなんですね。なんか納得しました。
「冷蔵庫があれば、もっとよくなるのになぁ」
 そういえばそもそも電気もないかも。明かりは全部蝋燭やランプ的なものだし、掃除はホウキや雑巾、調理はかまどだもんね。
 ないものねだりとは知りつつ、大きめの独り言をつぶやいていると。
「なんだそれは」
 私のつぶやきに反応したのはバーガンディーさん。
『昼飯食べそびれた』と言ってはちょくちょく厨房に賄いを食べにくるんですが、それはもはや茶飯ごとなので誰もツッコミません。
 まあそれは建前で、きっと私のことを監視しにきているんでしょう。今日は食事の開始時間に間に合わなかったそうです。
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