最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます

「とにかく……また連絡するね。コンシェルジュのカウンター。あそこに行けば松下さんに会えるから……ね」


「あ、はい。すみません」


私は、工藤様に一礼し、足早に部屋を出た。


どうして？　どうして私は、工藤様を目の前にしてあんなにもドキドキしたんだろ？


完全に冷静さを失ってしまってた。


「一花！！」


ハッとして振り返ったら、私の幼なじみでこのホテルのフロントで働く島田 萌佳(しまだ もえか)がいた。


「どうしたの？　顔赤いよ。熱があるんじゃない？」


私の顔を覗き込む萌佳。


思わず顔を背ける。


萌佳は中学校からの同級生で、私は彼女を親友だと思ってる。


なぜか同じホテルマンを目指して、今はこの「グレースホテル東京」で、コンシェルジュとフロントとして働いてるからすごく不思議な感じ。