最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
目の前に工藤様の顔がある。


こんなにも近くで男の人の顔を見たのはいつ以来?


すごく……恥ずかしい。


決して悪い人じゃないってわかってるけど、今まで見たことなかった工藤様のワイルドさが、私の心をかなり動揺させた。


「お願い……聞いてくれるよね? 仕事が終わってからでいいから」


どうしよう……


このままじゃ、腰が砕けそうだ。


とにかく、何か言わないと。


「わ、わかりました。ただ、総支配人にはお伝えさせていただいてもよろしいでしょうか? 総支配人のOKが無いとお引き受けすることはできないので」


「総支配人……ああ、あのイケメンの彼ね。別に……いいよ。ただ、俺、松下さんをどうにかしようなんて思ってるわけじゃないよ」


私の髪を優しく触る指と、その渋くて甘い声の両方が、工藤様がセクシーな大人の男性だということを嫌でも認識させる。
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