最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます

絢斗は、きっと、ご両親に大事に育てられたんだろうな。


病気がちな優しいお母様を、安心させてあげたいと思う絢斗の気持ち……手に取るようにわかる。


「母さん。総支配人としての仕事が安定するまで、俺もまだいろいろ大変だから、結婚式はもう少し後になると思う。だけど、一花とは必ず結婚して幸せな家庭を作るから、何も心配しないで安心してほしい」


その言葉にお母様は少し目を潤ませ、刺繍入りの綺麗なハンカチで目頭を押さえた。


「ええ。あなた達の1番良いタイミングですればいいわ。絢斗にこんな可愛い彼女さんがいたことがわかっただけで、私は安心だから」


「……お母様。どうか、お体お大事になさって下さい。いつまでもお元気でいていただきたいです」


心からの願いだった。


不思議だな……初めて会ったのに、まるで自分のお母さんのように感じてしまった。