最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
嘘だ。


私の方が、先に萌佳に帰ろうって言ったんだ。


「一花。美味しいカクテルが飲みたい」


そう言って、絢斗は近くのバーに連れていってくれた。


何かを察して、気分転換させようとしてくれたのかも知れない。


ううん、きっと……そうだ。


いつだって……絢斗は本当に優しいから。


「お腹空いてるんじゃないですか?」


「一花が食べてくるってわかってたから、俺もさっきシュシュで食べた」


「そうなんですね。シュシュ、美味しかったですか?」


ホテルの中にある従業員用のカフェレストラン。


「今夜はポークソテー。美味しかった」


「美味しそうですね、ポークソテー。私も……一緒に食べたかったです」


本当に……


今夜は、萌佳じゃなく、絢斗といれば良かった。


私は、以前から、絢斗がシュシュで食事をしてる姿をたまに見ていた。
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