最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
萌佳の顔色が、急に暗くなった。


「どうしたの?」


「言ったら、もう許してもらえない。でも……やっぱり、謝りたい」


萌佳は、涙をいっぱい溜めながら話しを続けた。


「茅野君との3人での飲み会の時、帰りに暴漢に会ったでしょ?」


どうしてそれを?


萌佳には言ってなかったのに……


「あの男……私が雇ったの」


え? 嘘……


萌佳が雇ったってどういうこと?


「もう、あの時、私、めちゃくちゃにおかしくなってて、総支配人が好きでたまらなくて。一花を怖がらせて、それを茅野君が守れば、2人がくっつくんじゃないかって……」


「萌佳……」


「人間として最低……だよね。さっき、一花があのオヤジから必死に助けてくれて、友達だからって言ってくれて……すごく嬉しかった。私、本当にひどいことしたのに、それでも一花は守ってくれた」


萌佳は、心から悔いている――震える手を見てそう思った。


「私、取り返しのつかないことしちゃった……茅野君まで傷つけて。でも、あいつ、怖がらせるだけで、まさか切りつけるなんて……」
< 218 / 257 >

この作品をシェア

pagetop