最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
ダメ、こんな近くで見られたら、私の地味な顔がハッキリ露呈してしまう。


でも、首が固定されたみたいに動かない。


「それで、一花はなんて答えた?」


耳元で甘い声で囁く絢斗。


フラっとなりそうな感覚。


「ん? どうした?」


私は、その声をきっかけに、座ったまま少しだけ後ろに下がった。


絢斗は、私の答えを待っている。


私から一瞬足りとも視線を逸らさずに――


「総支配人の了承がなければお引き受けできないので、まずはお話をさせていただきますと……そうお伝えしました」


「それは、もしかして、一花が仕事が終わってから部屋に行くっていうこと?」


「あっ、はい」


私はうなづいた。


「工藤様は、仕事後に一花を部屋に呼びつけてどういうつもりなのか……」


お客様に対してなのに、その言い方は……ちょっと総支配人らしくないと思った。
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