最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
「良かった。じゃあ、出ましょうか「」


「うん」


私達は、近くの公園に向かって歩き出した。


「茅野君はこの先の駅から電車でしょ? 公園、時々寄ったりするの?」


「いや、初めて行きます。いつもは駅まで一目散ですから」


笑ったせいで少し細くなった瞳が、茅野君の優しさを感じさせる。


きっと、この人は、誰にでも同じように優しいんだろうなと思った。


「ここです。ほら、あの桜……」


そこには大きな桜の木が1本立っていて、見事に美しい花が咲き誇っていた。


たまたま今日だけかも知れないけど、他に誰もいないのが嘘みたいだった。


「そろそろ散ってしまうのがもったいないですよね」


「うん。こんなに綺麗だとずっと見ていたくなる……」


少し離れて見上げる桜。


なぜだかわからないけど、綺麗過ぎて涙が出そうになった。


「だったら……ずっとここで、この美しい桜を見ていませんか?」
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