最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
「ですよね、すみません。自分でも何を言ってるのかわからなくなりました。ダメですよね、僕。でも……ちゃんと言います」


今度は私が、ゆっくりと茅野君の方に体を向けた。


「本当に……突然ですみません。ただ、今日、森田様のプロポーズ、とても良くて、感動したんで……僕も好きな人に気持ちを伝えたいなって、急にそんな風に思ってしまって」


私を切なげな目で見つめる茅野君。


「僕、『グレースホテル東京』のコンシェルジュになって、初めて松下さんに会って、いろいろ話したり笑い合ったり、毎日一緒に過ごしてるうちに……」


一瞬、言葉が止まった。


茅野君は、自分の洋服の胸の辺りを右手でグッとつかんだ。


何だか、ちょっと息苦しそうで……心配になる。


「僕、あなたのことを好きになってしまいました。もう、ただの同僚だなんて思えなくて」


「……茅野君?」


「気づいてなかったですよね? 僕、そういう気持ちを隠すの上手いんで。でも、本当は、一花さんが隣にいるだけでいっつもドキドキしてたんですよ。勝手に……すみません」
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