最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
なぜだろう……


この迫力に、私は動けなくなってしまうんだ。


まるで魔法にでもかかったように、体が硬直してしまう不思議な感覚。


もちろん、絢斗が私の横に座った時も同じようになった。


でも、工藤様には、優しい絢斗のそれとは違う、心と体を触らずしてロープでぐるぐる巻きにしてしまうような……


そんな恐ろしい程の妖艶さを感じてしまう。


執拗なまでに絡みついてくる色気に、私は少しの恐怖を覚えてしまった。


「特別な理由はね……」


耳元で、吐息混じりに発した言葉。


その数秒後に続く工藤様のセリフに、私は心から驚くことになる。


「松下さんを好きだから。ずっと……君を見てたよ。それが理由。ね、充分過ぎる理由でしょ?」


えっ、そんな……嘘でしょ?


好きって、工藤様が私を?


こんなことって……


「好きだから」という、とてつもなく甘いフレーズが頭の中を駆け巡る。


あまりの衝撃に、とうとう私の思考がストップしてしまった。
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